2016.12.31

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12月26~27日にユースデモクラシーLabメンバーの20代当選議員有志で、実験的強化合宿「ENTER BOOT CAMP ベータ」を開催しました。

この多忙な時期に、地元での会合や催しの誘いもひとしおであろう年の瀬に、何よりも優先して研鑽に励もうとする若き地方議員たちが集まりました。

そして、この場は政策を学ぶ場では無く、ただ単に懇親を深める場でもありません(政策の学習は日常的に行うものであり、親睦は副産物です)。

1日目、彼ら彼女らがまず最初に取り組んだことは、「未来を語ること」です。

自由民権運動の理論的指導者である植木枝盛も、遺稿『無天雑録』において次のように述べています。

未来がその胸中にある者、これを青年という。過去がその胸中にある者、これを老年という。

ユースデモクラシーを推進する者として、未来志向であることは必須の要件といえるでしょう。

ここでは、「未来プレゼン」と称して、「10年後の未来」と「地域or日本を成長させるアイディア」、そしてそれぞれの政治に対する思いや考えなどを20分間自由に語り、相互にフィードバックし合うというセッションを行いました。

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続いて、メンターとしてほぼ一期上の先輩地方議員である但野謙介さん(南相馬市議・株式会社Huber.取締役)に、今までの取り組みとそこから得た知見を共有してもらい、その後は、食事をしながらざっくばらんに意見交換を行いました。

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初日の締めくくりは、より本質的な思考を深めるべく「人間の幸福とは何か、そして私たちがそれに貢献できることは何か」という答えのない問いについてグループで相互の価値観を交わし探求するセッションを行いました。

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2日目は実践的なプログラムとして、ユースデモクラシーLabの根幹的な取り組みの一つである「ナレッジシェアツールによる地域横断的な知見・情報の共有」を活性化させるための、ナレッジシェアツール「esa.io」を含む各種デジタルツールの活用法についての情報共有や、運用に関するミーティングを行いました。

このタイミングで当初の予定にはありませんでしたが、急遽、伊藤忠彦さん(環境副大臣・内閣府副大臣)が視察に来られ、私たちの取り組みを簡単にご紹介をさせていただきました。

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また、環境副大臣である伊藤さんからは、2020年の東京オリンピックで使用されるメダルは、廃棄されたスマートフォンなどの電子機器から回収される貴金属、いわゆる「都市鉱脈」から作られることが決まったことをご案内いただき、「持続可能な未来」を象徴する取り組み事例として学びを得ました。

最後のセッションとして、米国政治情勢に精通した渡瀬裕哉さん(早稲田大学招聘研究員)に、米大統領選挙の総括から、トランプ政権の人事から予測する今後の世界情勢見通しについてレクチャーをしていただき、来年1月20日以降の「すぐそこにある未来」についてイメージを膨らませました。

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この濃密な2日間を通して、それぞれの心の中に2日前とは違った何かが芽生えたとすれば、この実験は成功だったと言えるでしょう。

参加メンバーもそれぞれに何かを感じ、持ち帰ることができたようです。

そして、合宿後も自分との対話を繰り返し、具体的なアクションプランに落とし込む事を宿題としています。それが実行に移されフィードバックを内部SNSグループやナレッジシェアツール上で共有し、伝播させていくことも「ENTER」の機能の一つです。

この「ENTER」というプラットフォームを通して、若くして「政治」というグロテスクな領域に挑戦する者たちが、心の中にある違和感と正直に向き合い、世の中の不合理と自身の弱い心に安易に妥協せず、デジタルネイティブ議員ならではの方法で、相互に刺激しあい協働し、創発していき、そしてそれぞれの価値観に基づき社会的インパクトを最大化していく、そのような取り組みになればと考えています。

体験型コンテンツである「ENTER BOOT CAMP」は今後も半年に1回程度開催し、バージョンアップを繰り返していく予定です。

現時点での参加要件は、85年生まれ以降の20代当選議員で、ユースデモクラシーLabメンバーであること、としていますがサポートスタッフ等でお手伝いいただくことも可能ですので、ご興味がある方はお気軽にお問合せください。

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それでは、今年も残すところあとわずかですが、良いお年をお迎えください。
来年も皆さまにとって良い一年になりますように!

(一般社団法人ユースデモクラシー推進機構 代表理事 仁木崇嗣)