去る7月2日(日)の東京都議会議員選挙の投開票日は、デジタルハリウッド大学院駿河台ホール(御茶ノ水)にて開催されたスマート・インクルージョン研究会主催イベント『What's Smart Inclusion?〜「IoT/AI×障害者」が日本の未来を創る!〜』にパネルディスカッションにモデレーターとして登壇させていただきました。
本イベントは、スマート・インクルージョン研究会代表の竹村和浩さんの著書である「スマート・インクルージョンという発想」の出版イベントとして開催されました。
「スマート・インクルージョン」とは、同研究会Webサイトにおいて「障害者の視点からのIoT/AIを開発することにより、本当の意味でのソーシャル・インクルージョンを実現する、というコンセプトです。スマートには、IT技術という意味のほかにも、文字通り、「賢く」インクルージョンを促進する、という意味も含まれています。障害は、本人にあるのではなく社会にこそ存在する。それをITの力でスマートに取り除き、障害を持つ人であっても、社会に含まれる(include)される社会の実現を目指します!」と述べられているように、デジタル時代において「障害」と向き合う新しい考え方といえるでしょう。
冒頭の竹村代表による「スマート・インクルージョン」についての熱くわかりやすい解説に続き、同会アドバイザーである村上憲郎さん(元Google米国本社副社長)の基調講演において、来るべき「超スマート社会(Soceity5.0)」でこそ重要な価値を持つ考え方であるとの指摘がありました。
後半は、NPO法人SocialSalon代表の湯田舞さんがファシリテーターを務めるパネルディスカッションと、参加者と共にディスカッションを行うグループセッションが行われました。
パネルディスカッションの冒頭に、NPO法人Ubdobeで広報を務める加藤さくらさんの活動紹介に続き、当機構代表の仁木によるユースデモクラシー推進機構の活動紹介をさせていただきました。
パネルディスカッションにおいては、様々な議論の中、仁木より「障害者施策関係予算は年間約1.8兆円。これが不要とは言わないけれども、手当や補助金を政府がバラまく事は根本的な問題解決にはならず、仮にこの内の数%でも障害者ニーズに対応する技術研究開発やベンチャー投資に充てるだけでも未来は違うものになるだろうし、そうでなくても、できるだけ人々の手元に現金を残して(減税)、直接、顔が見える形で支援することが望まれる社会の方が心が通った温かい社会なんだと思う」という趣旨の発言をさせていただき、閉会後の会話の中で、当事者の方からご賛同いただくということがありました。
後から知ったことですが、このような考え方は、「障害者にかかる社会対応のコストをマーケットに組み込んで市場化し、企業の労務費のかなりの割合(1割とも2割とも言われる)を投資させることによって解決する」という米国のADA(米障害者法)に近いようです。
最後のグループセッションにおいては、重度障害のお子さんをお持ちのITエンジニアの方や、ご家族に当事者がおられる経営者の方々のグループに加わらせていただき、様々な深い学びをいただきました。
今回はモデレーターとしての参加でしたが、大変勉強になることばかりで、素晴らしい機会をいただけたと思います。この場を借りて、竹村代表をはじめ運営スタッフの皆さまに厚く御礼申し上げます。引き続き、当機構としても連携を深めさせていただきたいと考えています。
また、以前からお目にかかりたかった村上憲郎さんは大変優しく、もの凄く面白い方で、懇親会ではAI時代の民主主義の可能性などの話題で盛り上がりました。
一般社団法人ユースデモクラシー推進機構は、真の民主主義を機能させるべく、多様性豊かな社会を目指して各種団体との連携を深めて参ります。引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。
(Edited by Takatsugu NIKI/Photo by Rio TATEISHI)