2018.05.23

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2018年5月15日(火)に開催された「デジタル憲法フォーラム2(デジ憲2)」での中谷元衆議院議員のゲストスピーチ全文書き起こしです。※カッコ書きは編集者補足

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みなさんこんにちは。中谷元でございます。

もう今日は皆さんとお話しできるので、心がワクワクおります。出身は土佐の高知です。高地へ来られた方おられますか。沢山いました。ありがとうございます。

高知は坂本龍馬が出身のところで、桂浜に坂本龍馬の銅像があります。 その竜馬さんの銅像は、右手を懐に入れているのですけれども、この懐の中に何が入っているのでしょうかというのがよく話題になっています。

ある人は護身用の短刀といい、ある人はピストルだといい、そうじゃないんですね。竜馬さんが入れているのは、実は憲法だったのです。

当時は切ったはったの時代でしたけれども、やはり自分の身を守るのは何かというと、法律だと、これからは法律で国を治める時代だということで、いちはやく日本国の中に憲法を作れと言い出したのは龍馬さんたちだったのです。

その後、幕末の、150年前にこの体制が変わりまして、明治の時代になりました。そして、明治天皇が五箇条の御誓文というのを作ったのを皆さん知っていますか?皆さん学校で習ったと思います。

この御誓文というのは、万事公論に決すべしと言っているんですね。天皇陛下が国を治めるのに、国民の皆さんが話してくださいと言っています。

それで御誓文ですから誰に誓うのかというと、国民に誓っているんですね。それだけ日本は民主化が早かったわけでありますが、残念ながらすぐに民主主義になりませんでした。

薩摩と長州出身の政治家が、この政治を牛耳ってですね、まあ今でも一強といわれておりますけれども、なかなかものが言いにくい状況があったのです。

それでこれじゃいかんということで爆発したのが、1人が西郷隆盛の西南戦争で、これは革命を起こさなきゃいかんと、武力で国を変えようとしたのですね、ところが鎮圧されました。

もう一つのグループが自由民権運動の土佐派の人たちで、国会を作りましょうと、国会ぜよと、ということで全国でキャンペーンをしましてですね、そこで出てきたのが、先ほどお話いたしました、自由民権運動の植木枝盛さんですとか、中江兆民さんとかですね、フランスの市民革命ですね。

自由、平等、博愛の精神ということを、日本は近代化する時に取り入れようじゃないかと考えたのが私的憲法(私擬憲法)、自分で憲法を考えたのです。

で、政府にそれを要求しましたが、時の総理大臣が伊藤博文。先手先手を打ってそこから政治ドラマが始まって、時の政府は権力を使ってですね、そういうのを弾圧しながら政権が維持するために、先に自分たちで国会を作って、憲法を作ったんですね。

まあそれで、今の憲法に繋がっていますが、その時の自由民権運動で書いた中江兆民とか植木枝盛さんの文章が今も残っているんですね。

それで戦争で負けた後、新しい憲法を作ろうということになって、GHQが案を作りました。

ですからよく日本の憲法は、米軍の占領者が作ったと言われますけれども、実は彼らは植木枝盛さんのこの自由民権の憲法に書かれていた内容を活かして、民主主義とか、人権とか、自由とか、そういうことで今の憲法はその要素が入っているわけですね。

ですからこの自由民権運動の時に書かれた憲法をぜひもう一度読んでみてください。非常に共通するところが多いわけでございます。

最後に、坂本龍馬がもし生きていたら、ポッケの中に何が入っているのだろうかと、取り出したのは、携帯。みなさん持っていますよね、携帯を。

今、Facebook革命とか、Twitter革命とか言われています。今から10年前、チェニジアで一人の若者が焼身自殺をしたんですね。政府に抗議をして。

これに怒った国民たちがこのFacebookで、何月何日何時に王宮前の広場に集まろうじゃないか、抗議しようじゃないかと呼びかけて、集まって、その政権が倒れた。これをチェニジア・ジャスミン革命、つまりFacebook革命です。

このやり方がエジプトに、サウジに、そしてアジアでも韓国に、フィリピンに、次々とFacebookで政権が変わっています。

今、これを一番利用している人は誰でしょうか。安倍総理も使っておりますけれど、それ以上に使っているのはトランプ大統領なんですね。もうツイッターで次から次へと自分の想いを述べています。

そしてもう一つ使っているのが、やはり中国と北朝鮮の指導者もこれを使っています。これを使って国を治めているんですね。これで国民の情報を集めてですね、国民を監視しながら、そして国をコントロールしている。情報を使って、国をコントロールしている。

しかし日本は安心してください。そういうのは全くやっておりません。できるだけ自由な、民主的な国を作ろうということで、法律でこういった個人の情報を監視してはいけませんといった中で今発展しております。

そういうことで、この日本という国も憲法によって基本的なことは決まっておりますので、この機会にまた皆さんと一緒に勉強していきたいと思います。

以上で私の最初のスピーチを終わらせていただきます。ありがとうございました。