2016.10.12

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はじめまして。いとまいです。私は東京でSEの仕事をしている福井県出身の24歳女です。政治の話って難しくて苦手だし選挙は行くけど選び方がよく分からない、そんな一般ピープルです。でもいるんですね、自分とそう歳の変わらない議員が。

一体どういうモチベでやってるの?

てか、何をしてるの?

会えるチャンスがあるから、話聞いてみようかな、そんな軽い気持ちがきっかけです。

お会いしたのはこちらの三人。

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▲上から鯖江市議の福野葵さん、坂井市議の小原慶之さん、坂井市地域おこし協力隊のえみこさん

まず、ユースデモクラシー推進機構の仁木さんを通じて葵さんをFacebookで紹介してもらったわけですが、会う前の印象はというと

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「鯖江案内オッケーですよヾ(◍'౪`◍)ノ
 (中略)..
今のところ私はどっちも空いてるのであれやったら鯖江のうちの家泊まってもいーですよー笑」

 


⇒(か、カジュアル!絵文字!これで議員さん?しかも初対面の私を泊めてくれるとか、コミュニケーションおばけ!!)

実際お会いすると、同世代で話しやすく、Facebookの印象と変わらない明るい方でした。
葵さんにご紹介頂いた二人の第一印象は、

 ・小原さん:  一見堅そうな、久しぶりに会う地元の先輩
 ・えみこさん: どこか都会感のある、しっかりしたお姉さん

つまり、議員とはいえ至って普通、でも議員活動や地域おこしの事を聞くと少し表情がキリッと引き締まる、そんな地元が好きなしっかりした方達でした。議員さんは皆真面目な感じと思い込んでいましたが、議員活動の仕方などによって印象の与え方がこうも違うんですね。

 

普通の若者が選挙活動について聞いてみた。

次に選挙活動を比べてみました。

電車利用が少なく駅前活動の意味がなかったり、地域の結びつきが強かったりと地方選挙は都会のそれとは大きく異なるようです。基本的には各区で応援する議員が決まっており、葵さんは「大きな声では言えないけど、応援してるよ」と声をかけてもらったことがあるそう。

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▲選挙方法の違い。だいぶデフォルメされている部分がありますがご了承ください。(笑)

選挙スタイルは議員活動に影響するみたいで、小原さんは後援者を同級生に頼った分、先輩議員からの縛りが少なくなっただろうとのこと。


 

普通の若者が議員の実情を聞いてみた。

にしても、葵さんのやり方は特殊で、費用は約2万円だったとか。あれ、私でも市議になれちゃうかも・・・?ということで、早速実情を聞いてみました。

―「普段、何してるの?」
議会が年4回(1回あたり約24日間のうち参加しなければいけないのは7日ほど)、たまに委員会や組合議会がある以外は、任意で来賓挨拶、地域イベント参加など自由なので副業する人も多い。
⇒楽ちん!かと思ったら、来賓の挨拶や地元地区内の葬式への参列は義務ではないけど、顔を出しておかないと地域のじいちゃん・ばあちゃん、お偉いさんから非難されるんだとか。

―「議員やってて良かったこと、悪かったことは?」
良い:肩書きのおかげで、若くても信頼して話してもらえること。若造とかわいがってもらえること。
悪い:肩書のせいで、市民に敬遠されてしまうこと。
⇒行政と地域住民の本音には距離があるようで、えみこさんは“地域おこしは民間が主導して行政が連携した方がうまくいくと思う、私は民間で主導して頑張りたい”とのこと。

―「やっぱりしがらみの世界?」
議会は基本的に部局で挙げられた案を承認する場になっていて、各党や上の人で意見が固まってるから多数決の世界だけど出来レース状態。反論といっても一般質問で突くくらい。結果、何事にも根回しが必要。

―「それ思いっきり反発したらどうなるの?」
間違ってると思って頑張って反論したところで、多数決だから最終的に意見は通らない。意見が通らなかったら何もしてないのと同じだし、反発することで余計に居づらくなるだけ。
⇒そういうことだったのか・・・。いかに声を上げても他の議員、特に親玉議員を説き伏せて可決されなければ、一般人の耳にまでもまともに届かないんですね。

ー「なんでどうでもいいとこにお金遣っちゃうの?」
それぞれ次期当選のために自分の地区の事を考えがちだから、目に見える施設や道路整備にお金があてられてしまう。また、市議に限らず県庁、役所でもそれぞれが「自分たちが成し遂げた」という功績を作りたがり、行政でまとまらない悪循環が働いている。
⇒なぜそういう心理が働くかというと、やはり地元の人達にとって目に見える実利となる方が支持に繋がり、次期への保身となるためのようです。例えば、ショッピングモールでの期日前投票を可能にすることで投票率UPに貢献した議員よりも、地元の道路舗装にお金を当ててくれる議員の方が市民にとっては直接の恩恵があります。

 

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確かに、結局みんな自分が得したいよね!市民がちゃんと考えてない結果が行政の意思決定に反映されてしまっているんだなと思うと、市民も文句ばっかり言っていられないですね。

 

まとめ

自由にまちづくりに携われて「市議」ってタイトルも使えてフレキシブルに遊べて最高じゃん!なんて思ってましたが、大間違い。市議をやっていても挨拶の仕事ばかりで変革したい部分もなかなか意見は通らないし…といろいろと歯がゆい思いをしているのが伝わりました。

 

方法は異なれど3人とも地元を良くしようと尽力されていて、こんな若者がいたのかと頼もしい気分になったもっと若者です。今後の活動も応援したい次第です。

最後のイラストにもある通り、政治を変えるのは市議達だけど、その判断を動かすのは市民であって、市民が賢くなり議員をきちんと観察することはとても大事です。

私たちみんながもう少しだけ行政の活動に興味を持つと私たちの生活はさらに良くなる、かも。

 


 

 

 

■レポーター(文・イラスト):いとまい

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